#24 エピローグ。 『エピローグ。』  月に2回、障害者福祉にまつわる取材をさせていただいて、あっという間に1年が経った。最初にきっかけをいただくまで、障害者福祉施設に行ったことはなかった。初めてえみふるさんに伺った日は、週に一度ほど行われるパン販売の日であった。えみふるさんは御茶ノ水のオフィス街にあるから、お昼に外の通りで販売をするのだ。その販売は職員さんだけでなく、利用者の方も売り子になっ ...続きを読む
#23 行政と障害者福祉。 これまでにNPO法人さん、スポーツ団体さん、大学生さん、民間の企業さんなど、いくつかの場所でお話を伺ってきた。と言っても、きっとぼくが出会ったのは、世の中にある障害者福祉のごく一部だ。その上で、今回はえみふるの堀田さんと一緒に、千代田区役所の障害者福祉課の方々にお話を伺った。行政の立場から見る障害者福祉についても、いつか聞いてみたいと思っていた。お話を伺ったのは、障害 ...続きを読む
#22 ふれあい福祉まつりへ。 10月に、千代田区役所とかがやきプラザで開かれた、『第20回ふれあい福祉まつり』は、4年ぶりの開催であった。でも、コロナ情勢だけが影響しているならば、3年ぶりの開催のはずだが‥‥と思ったら、4年前は台風で中止になったとのことだった。オリンピックと同じ間隔での開催だ。そして、その久しぶりの開催でお客さんはどうだったのかというと‥‥大盛況であった。千代田区役所1階の特 ...続きを読む
#21 第19回ゴールドコンサート決勝大会。 有楽町駅と東京駅の間を高架線に沿って歩くと、まもなく東京国際フォーラムに着いた。ここで今日10月10日、第19回ゴールドコンサート決勝大会が開かれる。  ゴールドコンサートは障がい者が出場する音楽のコンテストとして、2004年に始まった。主催はNPO法人の日本バリアフリー協会さんだ。7月には、代表理事の貝谷嘉洋さんにお話を伺っていた。決勝大会では全国 ...続きを読む
#20 ゴールドコンサートに向けて。 NPO法人の「日本バリアフリー協会」さんに伺った。日本バリアフリー協会さんでは、音楽イベントの開催などを通して、障がい者の自立や社会進出の理解を深めてもらうことを目指している。そこにはふたつのイベントの軸がある。「GCグランドフェスティバル」と「ゴールドコンサート」だ。前者はフェスであり、後者は国際舞台芸術コンクール。GCグランドフェスティバルは2019年に ...続きを読む
#19 学生らしく前向きに。 障がい者福祉に携わる施設や団体は、社会人の方々によってのみ運営されているのではない。大学生が主体として活動する団体も数多く存在する。上智大学の『Go Beyond』さんもそのひとつだ。東京2020大会に向けた、大学でのオリンピック・パラリンピックプロジェクトを母体として生まれた学生団体で、共生社会の実現に向けてパラスポーツの体験会やイベント、講演会、小中学校への出張 ...続きを読む
 #18 日曜青年教室。 千代田区で月に2回開かれている、「日曜青年教室」にお伺いした。知的に障がいを抱える方が集まる場として、音楽、スポーツ、レクリエーション、宿泊学習‥‥多岐にわたるプログラムが行われている。昭和54年に始まって以来、青年教室の歴史は40年以上だ。  今まで、えみふるさんを通して、障害者福祉に関わる現場をたくさん見学させていただいた。福祉について、教育について、毎回、気づかさ ...続きを読む
#17 日本点字図書館。 (戦時中に手作りされた点字図書) 場所は新宿区。高田馬場駅を降りて5分ほど歩くと、閑静な道路沿いに、力強い数珠つなぎの、鎖のカーテンに包まれた建物が見えてくる。その建物の名前は「日本点字図書館」だ。  鎖は「知の滝」がイメージされている。  ぼくは、日本点字図書館のことを今まで知らなかった。「点字図書」とは何だろうかということも、きちんと理解できていなかった。点字図書 ...続きを読む
#16  あらゆる支えとなるホープさん。 千代田区を拠点に活動している、NPO法人ホープさんに伺った。えみふるさんとも長い付き合いがあり、千代田区の障害者福祉やボランティア事業などを幅広く支えている。今回はホープさんの事務所にて、活動のひとつであるオンライン手話教室の様子を見学させていただいた。代表理事の永田潔さんにもお話を伺いながら。 オンライン手話教室は、昨今の情勢によってあたらしく始ま ...続きを読む
#15 手話講習会へ。 えみふるでは手話講座が開かれている。現在は初級・中級・上級と、3つのコースが設けられていて、今回上級の手話講座にお伺いさせていただいた。講座は10か月間、週一回のペースでみっちり続く。この日は10人ほどの参加者の方々が来ていて、和やかではありながらも、ピリッとした真剣な雰囲気が流れていた。  講師の先生は二人だ。ひとりは山本実代先生で、手話通訳士としてもご活躍されている。 ...続きを読む
#14 「心を支える茗荷谷クラブ」。 えみふるの堀田さんは、「障害者福祉とは違うかもしれないけれど、不登校やひきこもりの支援は、なんらかの“生きづらさ”を抱えている方を支えているという点で、似ているのではないか」と言った。  わたしたちにとって、不登校やひきこもりという言葉は世に広く浸透している。しかし、そうした心の問題を支える人たちのことは、あまり知られていないかもしれない。公益社団法人の青少 ...続きを読む
#13 「ポコラートと表現と生き方の話」。  アーツ千代田 3331というアートセンターが、末広町にある。旧練成中学校の校舎が活用され、文化芸術活動の拠点として、さらに地域交流の拠点として、広く人々に愛されてきた場だ。そのアーツ千代田 3331での活動の中に「ポコラート」という言葉が存在する。センターの立ち上げと同時に生まれた言葉で、ポコラートとは障がいの有無を問わず、人々が出会い、相互に影響し ...続きを読む
#12 オフタイムな時間。  月に一度開かれている、丸の内オフタイム倶楽部さんの食事会へ。活動の紹介文には簡潔に、以下のように記されている。  “はじめまして。丸の内オフタイム倶楽部です。この食事会は当事者、ボランティア(福祉関係含)、etc。という分け方(役割)は有りません、皆メンバーです。マナーを守って食事をし、話をし「楽しかった、面白かった」と思っていただいて「また来よう」という気楽な気持 ...続きを読む
#11 車いすでもあきらめない世界。  一般社団法人WheeLogさんの取材へ。バリアフリーに関する情報を集めたい、という動機から5年前に始まった活動は、日に日に大きな輪となって広がり、共感する方々が数珠繋ぎにつながり、その広がりは国内外に及ぶ。  活動のひとつに、アプリを使ったバリアフリーマップの作成がある。バリアフリーマップの作成を紙面上のみならず、誰でも共有できるアプリ内で進めていくのだ。 ...続きを読む
#10 スポーツウェルネス吹矢  えみふるさんで定期的に開催されている、「スポーツウエルネス吹⽮」の活動に参加させてもらった。“⽮を的に放つ”という点では、⼸道やアーチェリーと似ている。しかし、スポーツウエルネス吹⽮は、⼿の⼒を使わずに“⽮を吹く”ことで、障がいを持つ⽅や⾼齢者の⽅でも、気軽に競技を楽しむことができる。   まず、⽮を吹くまでの動作を習った。体を右45度に開き、筒を両⼿で⽔平に持 ...続きを読む
#09 ヘルマンハープの⾳⾊。  ヘルマンハープは、2004年に⽇本へやってきた楽器だ。ドイツ⼈のヘルマンさんが、ダウン症の息⼦のために作ったのが始まりで、障がいを持つ⽅や、⾼齢者や⼦ども、誰もが練習を経て美しいメロディーを奏でられる素晴らしい楽器である。   今回、取材させていただいた「ヘルマンハープちよだ」代表の蒲⽣さんは、2009年4⽉に知的に障がいのある娘さんと⼀緒に、ヘルマンハープに出 ...続きを読む
#08 特例子会社『パソナハートフル』さんを訪ねて。  机とパソコンがずらりと並んだオフィスに、スーツを着て出社すること。働き方は日々変化しているけれど、この光景をわたしたちはイメージしやすいように思う。  大手町にあるパソナハートフルさんでは、広いオフィスで働く方々の多くが、障がいを持っている。パソコンを入力し、伝票を整理し、同僚の方と話し合う。ぼくはサラリーマンを経験したことがないけれど、目の ...続きを読む
。#07 千代田区障害者就労支援センターへ。 人は働くことの中に幸せがある。と、誰かは言っていたし、ぼくもそう思う。人に必要とされること。人の役に立てること。就職活動は、そのスタートラインを探す行程だ。転職活動は、タスキを次の区間で待つ新しい自分へ届ける行程だ。  全員が同じコースを走るのではない。自分にとってのオリジナルコースを走る。そして走り出していくと、息が切れそうなときがある。足が止まり ...続きを読む
#06 ちよだバリアフリーマップ 「ここが中央線、中野駅ですね。こちらを歩いていただきますのが、○△チームです。リーダーはTさんにお願いしています」  中野セントラルパークに集合したメンバーのみなさんと一緒に、今日の調査の説明を受けている。  「各チームに一台ずつ車椅子がありますから、持って行っていただきたいと思います」  今回は、NPO法人リーブ・ウィズ・ドリーム代表である金子久美子さんと一 ...続きを読む
#05 えみふる公開講座ボッチャ 昨年の東京2020パラリンピック、ボッチャ日本代表の方々の活躍をすごいなあと思いながら見ていた。だから今回、えみふるで練馬ボッチャクラブの方々を講師に迎えたボッチャ体験講座を、とても楽しみに伺った。  先に感想を言うと、ものすごく面白いし、ものすごく難しかった。家に帰ってトップ選手の試合動画をあらためて見てみると、「うまっ」と思わず声が出た。駆け引きも多く、頭脳戦 ...続きを読む
#04 ボランティアで活動する人 「内海紀公子さんは、当センターとのご縁で、えみふるさんに通ってくださっている、福祉ネイリストの方です。高齢者や障がいを持つ方は、自分でネイルを塗ることが難しかったり、関心を持たなくなってしまったり‥‥。ですが、内海さんのおかげで、指先が綺麗になって、心から生き生きと過ごされる方々がいらっしゃるんです」  前回取材をさせていただいた、ちよだボランティアセンターの峯 ...続きを読む
#03 ボランティアセンターの役割。 『社会福祉協議会』という言葉を聞いたことがあるだろうか。地域の福祉活動を推進する民間団体で、『社協さん』の愛称で親しまれている。  そして今回は、千代田区社会福祉協議会が運営する、『ちよだボランティアセンター(ちよだボラセン)』に伺った。名前の通り、千代田区でのボランティアを個人や団体にコーディネートしたり、学校や企業と連携をしたり、まちに根付いた活動を日々 ...続きを読む
#02 ふくしの仕事。 最初の見学に伺ったのは、理学療法士の星野先生のもとだった。立ったり、座ったり、歩いたり、一人ずつ動作のサポートをする。車椅子の方、シルバーカーの方、年齢も体の状態も人によって違う。  「すごいね!」「もう一回座るよ!」 明るい星野先生の声に力をもらうように、利用者さんは足が最初より高く上がったり、補助なしで一歩ずつ歩けたり、成果が表れていく。 ぼくは立つ、座る、歩く、シン ...続きを読む
#01 プロローグ。 2021年6月にえみふるを取材させていただいたことが縁になって、『かつおがゆく。』という取材ページを持たせていただくことになった。 えみふるを中心とした障がい者施設の福祉活動、たとえばボランティア、教育、行政、スポーツ、まちづくり‥‥、それらを広く知ってもらうことが目標だ。 ただ、気が引けるタイトルだと思ったし、ぼくにどれだけのことができるだろうと考えた。  話をいただい ...続きを読む
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